ご連絡遅くなり申し訳ございませんが、
1/18にアルゼンチン最高峰、アコンカグア(6,960m)に二度目の挑戦で登頂し(1/3に一度目の挑戦時は6,400mで高山病にかかり敗退)、2/1にウルグアイ最高峰、カテドラル丘に登頂&トライしました。
このようなチャンスを頂けたのは本当に皆さまのおかげであると思っており、この場ではございますが、改めてお礼申し上げます。
2018/1/28 読売新聞の朝刊に記事に載りました。
1回目の挫折@アコンカグア
一見すればスケジュール通り今回の南米遠征で山に登れたということで、順風満帆のように見えますが、決してそうではなく、例えば一度目の挑戦時では絶好のアタック日和だったのですが、己のスキル不足から高山病に襲われ6,400mで動けなくなりました。
日々の生活では当たり前のように歩け、動くことができますが、高所になると思ったように身体が動かず、鉛のように重く感じ、一挙一動がとても苦しかったです。呼吸がすぐに乱れるので、意識的に酸素を取り込まないと前に進めない。かと言って、前に進めば、進むほど辛くなり、登山の厳しさを改めて感じるものでした。
皆様からあたたかいご声援・ご支援を頂いているのにも関わらず、己の身体が言うことが効かなく、これ以上無理だと思えてしまった時は、悔しさと罪悪感を覚えました。正直「日本に帰ることができない」「みんなに会わす顔がない」と思えて致したかなかったです。今だから笑って言えますが、こんな想いは二度としたくないですね。
動けなくなった後の一枚。ゴーグルを着けているせいで、泣いている姿は見えませんが、鼻水が凍って白ひげのチャップリンみたいな感じになっております。
そのような思いがあり、麓街である200km離れたメンドーサーに戻って入山に関わる再登録をすぐに行い、4日後にはまた山に戻っていました。ベースキャンプで働いているスタッフに聞きましたが、「1週間もたたないうちに山に戻ってくる者は決して多くはない。いや、初めて見た」「山に登頂する者は数多くいるが、ラグビーボールを持っているのはお前だけだ」
ベースキャンプでお世話になったパウロ夫妻
二回目の挑戦で、山頂にトライ!
二回目の挑戦はなんとか山頂に辿り着きましたが、天候が不安定だった事や単独登頂という事もあり、それこそ今ある全ての力を出し切って登り切りました。山小屋でビバーグをしたりと当初の計画では想定していないこともありましたが、少しでも体力を消耗しないよう禅宗の修行僧のように、暗闇の狭い部屋でも無心でい続けることに集中しました。(高所ではちょっとしたストレス、パニックが体力の消耗につながります)
山小屋では全く寝れませんでした
アタック時には同じタイミングに登っている登山家がまるで魔法がかかったように止まって見えて驚きました。おそらく僕も周りからそう見えていて一歩踏み出して3秒ほど休み、また一歩を踏み出すといった具合に、こんなにもペースが遅く歩いた経験はかつてなく、とは言っても己のエンジンの限界を悠に超え、オーバーヒート寸前でした。地上の1/3の酸素と言われている中、グランカナレーターという30〜45度の最後の急坂では、意識はもはや飛んでいる状況で、気づいたら山頂にいました。気絶をしている状態で登頂していたと言えばいいのでしょうか、超極寒の中「辛さ」に関わる己の感覚を麻痺させ、とにかく一歩、一歩をどんなに歩幅が小さくても継続させるのだという脳内モードに覚醒させ、登頂していました。今まで知っている「辛さ」のその先の「辛さ」でした。
グランカナレーターのエグさはランパス1000回分に相当すると思います
最後の坂を登りきった時は、やはり嬉しくて、感極まって泣けました。とにかく嬉しかったです。1ヶ月に渡る山での生活にようやく終止符を打つことができるのだとの思いと、20歳の頃から抱いていた憧れをとうとう達成してしまったのだと寂さが入り混じったとても不思議な気持ちであったというのが、その時の正直な思いです。
ウルグアイ最高峰、カテドラル丘
また、ウルグアイ最高峰、カテドラル丘は514mと比較的低い丘ですが、辺鄙な所にあるということもあり、公共交通機関があるか否かネット上の情報ではわからなく。。。現地で情報収集をし、戦略を何度も練り直して、途中ヒッチハイクする作戦をとりました。
山頂が興奮気味の牛が放牧されている私有地の中にあり、マタドールのように牛をかわしながらトライをすることを一瞬、想像しましたが、良くも悪くもどの牛も襲ってこなく。その代わりに地雷のように存在する牛の糞をかき分けてトライすることになりました。
現地のウルグアイ人も知らないような辺鄙なところに最高峰があります。
皆さまに公約していたことがまずは達成できて、今は一息ついているところです。残り1ヶ月ほど南米におりますが、まだまだトライをしようと思っていることがあります。
・スポンサー企業である某電鉄会社のインバウンド営業活動(スペイン語喋れないけど、頑張ります!)
・アルゼンチンのラグビーレポート
→アルゼンチンにはラグビーチームが1チームしかないのに、過去ラグビーW杯に全出場しているその理由を調査&分析しようと思っております。
・ワールド ラグビーにこの冒険を認可して頂くよう、副会長に直談判
・ウルグアイのラグビーレポート
→2018/2/3にラグビーW杯出場を決めたウルグアイの様子を伝えようと思っております
・Webメディアへの寄稿記事の作成
→2019年ラグビーW杯が自国開催されることを知らない方々にこの冒険を通して「ラグビー」というワードをリーチすることが目的
ラグビー登山家として活動し、この冒険から派生するコンテンツをより多くの皆様に楽しんで貰えるよう、また多くの方にラグビーについて興味を持っていただくよう仕掛けることが私に与えられた役割であり、皆様の期待であると認識しております。
まだまだ未熟な冒険家でありますが、これからも応援宜しくお願いします。